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鶴亀が「健康長寿」の縁起物として親しまれているのは、読者さまもよく知るところかと存じます。
しかし、この鶴亀、なぜ鶴亀がセットで登場することが多いのでございましょう。
鶴だけでも、あるいは亀だけでもその役は果たせそうなものなのに。
実は、鶴は長寿だけでなく「夫婦円満」の役も持っているそうです。
更に、亀も長寿だけでなく「夫婦円満」の役も持っているそうです。
……あれれ?
ほぼ同じ文章が二つ並びましたね!
すみません、わざとらしくなってしまいました(苦笑)。
でも実はこれが、鶴と亀がセットでおめでたいとされる由縁なのでございます。
どちらも夫婦円満の役を持つ動物を並べることで、鶴と亀が仲の良い夫妻のように“見立てる”というわけなのでございます。
(おそらく、岩場に亀が二匹はり付いて夫婦円満という図よりも、鶴亀とした方が見目にも華やという理由もあるのでございましょう)
それでは、ここからは鶴と亀の秘密について個別にご紹介して参りたいと存じます。
まずは、「鶴」から。
鶴が縁起物として珍重されてきたのは、その姿と生態に由来しております。
まず姿とは、その穢れのない白。ことにタンチョウの白が顕著なのですが、その純白性が人々に畏敬の念を与えてきたのでございますね。
そして生態とは、彼らが渡り鳥であるということ。
中でもマナヅルやナベヅルなどは冬場しか見ることが出来ず、それ以外の季節には自分たちの周りのどこにもいない。
では自分たちの周囲にいないならどこにいるのか。
神聖な純白の鳥が暮らすにふさわしい、ここではない海の向こうの別世界。
そのような世界を昔の人は「常世国」と呼んでおりました。
常世国は、愛と長寿と富に満ちた世界と云われております。
つまりそこから飛来してくる鶴も、当然そのようなおめでたい力を宿した霊鳥である、と信じられたわけでございます。
そこから「夫婦円満」、「健康長寿」、「福徳」の役儀を持つとされたのは、自然の流れだったことと存じます。
生態からは、また他の霊験もあるとされました。
それは鶴が冬の水田で落穂などをついばむ姿から。
その姿がまるで春の田植えのように見えることから転じて、「五穀豊穣」の縁起もあると云われてきたのでございます。
かように、おめでたい生き物となりながらも、鶴は写実的に描かれ続けてまいりました。「鶴」は。
対して、亀はと申しますと・・・・・・やや異形の姿として、読者さまの前に現れてきてはおりませんでしたでしょうか。
例えば、仙人のヒゲように長く伸びた藻尾、亀自身がたくわえる謎のヒゲ、そして極めつけは、陸亀にしても鋭すぎる爪、牙。
いかめしくはないでしょうか。
亀が登場するのはおうおうにして祝いの場でございます。それにしてはあまりにもいかめしくないでしょうか。
まるで龍のようにさえ見える顔貌でございます。
なぜわざわざそのような姿で描く必要があったのか。
その答えは、万年生きると云われるその縁起自体にあったのでございます。
万年。
これはほぼ永遠と同義と思われます。
それだけの途方もない年月を、ただの動物のまま生きられるとはちょっと思えませんよね。
そこでその間に、亀はその姿も、属性も変わってゆくと考えられました。
古代の文献『述異書』にいわく。
亀は「一千年に毛を生ず、寿五千年を神亀といい、寿万年を霊亀という」
つまりおめでたいだけの動物ではなく、その上位格の神獣であるというわけでございます。
更に中国では亀に似た龍、龍亀という存在も伝承されております。
そう、亀たる龍。
上述させて頂きました、縁起物としてはあまりにいかめしい造形そのものと言えますでしょう。
このように神獣の中でも別格の「龍」と深い関係性にある「亀」。
その信仰は強く、亀は龍とともに「四霊」と呼ばれる最高峰の存在として崇められてきた歴史までございます。
北川鬼瓦でもその人気は変わらず、鶴・亀は毎年売れ筋商品の一角に必ず入ってきております。
ただ、買い方はお客さまによってまちまちで、鶴亀揃えてお買い上げになられる方もおられれば、
「こっちがウチの客間に合うから」と一方だけをお求めになられる方もいらっしゃいます。
上記させて頂きました通り鶴・亀は必ずセットでなければいけないわけではないからでございます。
また、鶴だけでも亀だけでもその霊験は多く広く、
ご自身がより求めていらっしゃる方を一つ手元に置いておくだけでも十分かと存じます。
鶴の商品へはこちらから
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※記述内容には諸説ございます
2015年12月18日更新