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〒915-0873
福井県越前市池の上町8-5-1
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仮に縁起物を列挙するような場面があるとしたら、
「宝船」は最初から3番目までには名前の挙がる、人気の縁起物ではないでしょうか。
有名な絵柄としては、帆に宝の一文字をでっかと記し、七福神や米俵を載せ波間を進む姿が思い浮かぶところでございます。
そして絵のままに、川や海に宝船の絵を流すと縁起がいいとか、正月の夜に枕の下に敷くと瑞祥に恵まれると云われております。
ところで。
船に載せる物は地方や時代によって変わるようで、これといった物はないようでございます。
では、当工房ではどのような「お宝」を宝船に積んでいるのかと申しますと、
「衣食住」にかかわる物を入れることにいたしております。
というのも、当工房は維新や世界規模の戦を体験してきた鬼師が育ててきた工房でございます。
それゆえ、着る物、食べる物、住む所のあることこそが、人間の幸せであるということを痛感してきてのことでございましょう。
場合によって多少変わることはございますが、現代に生きる五代目・六代目もその有難さを噛みしめ、出来るだけ宝船には「衣食住」を積むよう努めております。
また、帆に書かれる文字についても少し触れさせて頂きましょう。
これは「宝」のほかに「獏」と記されることもあるようでございます。
言わずもがな、獏とは悪夢を食べる神獣のこと。当工房でも、獏そのものを何体もお造りさせて頂いて参りました。
そして、この造り手の観点からすると、この場合の悪夢とは、「邪気」の別表現であるように感じられます。
つまりこの場合、宝船は縁起物としてだけではなく、「魔除け」のお守りでもあったのではないかと愚考する次第でございます。
と、論をぶっておいてお恥ずかしいのですが・・・
実は当方で獏の字を書いたことはまだない・・・のです(苦笑)。
一方で、当工房では、特にご希望があった場合お客様のご所望される文字を入れさせて頂いております。
おそらく、その方にとって幸福であると感じられる字であることが、最も重要なのだと存じます。
※記述内容には諸説ございます
2015年2月24日更新