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職人自由律俳句
ひととき 天井のすみに 湯気あつまる
ラジオ中継 たぶん誰も正解を知らない
1、2、の3 あのころから 1、2、の3
こんにちは。
本日の職人の句は、3句目でございます。
3句目の「1、2、の3」は・・・・・・・
はい、読者さまご想像のとおりでございます。掛け声でございます。
では何の掛け声かと申しますと、鬼瓦の土台部分をひっくり返す時の掛け声なのでございます。
と、急にひっくり返すと書かれても何のことか伝わりませんね(苦笑)。
鬼瓦の土台というのは、細工を盛り付ける面を床にして(つまり天地逆にして)作成するのでございます(当工房では、この工程も全て手作りさせて頂いております)。
そして土台を造り終えると、天地を返すのでございます。
ただ、水分をたっぷり含んだ生の土は重たいのです。
鬼瓦としては小さい方の「八寸隅鬼」(当通販サイトで主に販売しているものでございます)でさえ、一人の力では到底返せない。
そこで二人がかりで、句の中にある掛け声を発しながら――
ひっくり返す!
わけでございます。
この掛け声が「あのころ」、私がまだ幼い時分、から工房の中にはいつも響いていたのでございました。
それではまた次回お会いいたしましょう。
2016年2月23日更新