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職人自由律俳句　　

風邪っぴきのポカリが　ぽつんと台所　　

カメムシがいてゾウが水浴びして　窓の外には月あって　不思議な地球うかんでる　　

巣立つ鳳凰あれば　孵化する鳳凰もおり　　

こんにちは。まず、親方と私こと北川順一は元気でございます！　
１つ目でご心配をおかけするような句を詠み、もうしわけございません。　

風邪っぴきとは、私の弟のことでございます。　
（弟は鬼の道に入りませんでしたので通販サイトなどでも紹介いたしておりませんが、当家は男二人兄弟なのでございます）　
その弟も今朝には「少し体が軽くなった気がする」と申しておりましたので、こうして句のネタにも出来た次第。　
しかし驚かせてしまった読者さまには改めて、申し訳ありませんでした。　　

さて。本日の職人の句でございますが、鳳凰の三つ切り鬼瓦が題材でございます。
春が近づき、冬の間に造りためておいた鬼瓦もぼちぼちもらわれていく先が決まって参りました。　

このようにもらわれる先が決まると、当工房ではなるべく早くに同じ題材の次の鬼瓦を造らせて頂くようにしていたしております。　

と申しますのも、人気のある題材はおおむね決まっておりますので。特に鳳凰などは売れたそばから、「鳳凰の三つ切りあるけのお」などと次の屋根葺き職人さんがいらっしゃることもあるのでございますね。　

そこで、句中では「孵化する」と表現させていただきましたが、先週から次の鳳凰がもう造られている――　

本日はそのような北川の春の一幕をお届けさせて頂きました。　

それではまた次回お会いいたしましょう。