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福井県越前市の鬼瓦工房「北川鬼瓦」魔除け、厄除け、縁起物、手造り鬼瓦、
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一人の鬼師として思うこと

こんにちは。

先週のことになるのですが、県外の窯業関係の方とお話をする機会がございました。

その中で、直接お仕事に関することから、北陸の瓦界全体へと話題が変わって参りました。
日本家屋が減り、瓦業界が苦しいというこへと――

――それは私共関係者は、常に肌にひしひしと感じていることでございます。

おそらくですが、外から建築業界を見てらっしゃる読者さま方でも、「厳しそうだな」とお思いではないかと存じます。

一方で、その土地固有の瓦がほとんど消えてしまった県が複数あるという現実。

こちらの方は、あまり知られていないのではないかという気がいたします。
(業界内の話なので、それで構わないのですが)

例えば近所で家が建ち、その家が純和風建築ではなくとも、屋根に瓦を葺いていた。

そういう光景は数年に一度、目にされることでございましょう。

その際ごく自然に、あの瓦は県内のどこかの瓦屋が焼いたものなんだろう、と皆さまの脳は自動処理されているのではないかと存じます。

ですが。
そうではない状態が、進行しているのです。

上述いたしました通り、産地の瓦屋さんがほぼ全滅している県あるのでございます。

そう。
ひょっとしたらそれはお客さまのお住まいの県かもしれません。

産地の瓦の代わりに使われているのも日本の瓦ではございます。

ただし、規格化され、どこの地方へ行っても同じ色、形、という無個性の瓦でございます。

どこでも使える瓦を生み出された技術者さんたちの努力はとても素晴らしいものだと、僭越ながら私も感じるところです。

それは素晴らしいのですが、どこへ行っても同じビル群ばかりの日本。
画一化された工法のお宅も増えてきました。
その上、瓦までどこへ行っても同じ。

それではなんだか、寂しい気がいたします・・・

週の初めだというのに暗い話になってしまいました。
申し訳ありません。

それではまた明日お会いいたしましょう。

 

 

2015年5月11日更新