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こんにちは。
職人仕事では、どうしてもさけられないことがございます。
それは1つではなく、いくつもあるわけなのですが、今回はそれらの中のとある動作についてお話させて頂きたく存じます。
そのとある動作とは、物の上げ下ろし。
職人仕事ではなどとぶっておきながら、どのようなお仕事でも日に何度もある作業でございますね。
失礼いたしました。
さて。この物の上げ下げ、私ども鬼師の場合は、鬼瓦や土の塊がその対象でございます。
焼いた隅鬼(屋根のスミに飾る最もポピュラーな鬼瓦の一種)で、約15キロほど。
これならば、まだそこまで上げ下ろしが厳しくはございません。
厳しいのは、焼成も乾燥もしていない、出来上がったばかりの鬼瓦でございます。
先ほどの15キロに、たっぷりと含まれた水分が加わり且つ、抱きかかえるように持つことが出来ないからです。
これは、乾燥の済んでいない瓦製品は、直接持つと形がゆがんでしまうためでございます。
そのため板に載せて持ち運ばなければならないのですが、これが腕の力だけで持つことになるため、体全体で抱えるよりも何倍も重く感じるわけでございます。
そのため。
私が修業を始めた最初に教わったことの一つは、
「鬼を持つときは、膝を曲げる」
でございました。
そうでなければ、腰を痛めるからでございます。
膝を曲げ、腿にグッと力を入れて持ち上げる。おろす。
ええ、はい。
理屈としてはごく当たり前の話でございます。
されど、若い時や学生時代というのは、「腰痛」などというものは自分とは無縁だと決め込んで生活しておりますもので。
ついつい腰で持とうとしてしまうのです。
読者さまも、そのような持ち方をしている若い社員の方を見て、「ああ、危ないなあ」と思われたこと、ございませんでしょうか。
体は大切にしたいものでございます。
それではまた明日お会いいたしましょう。
2015年6月4日更新