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職人自由律俳句
何百と視てもまだ遠い背中 親方のわざ
土をこねては詰める 暑い日も寒い日も
徒然草の一節を思い出す最後の力の抜き加減
こんにちは。
本日は3句とも鬼造りの句で揃えさせて頂きました。
3句目の徒然草の一節というのは、書に記されている庭師のお話のことでございます。
おそらく読者さまも見当はついているかと存じますが、
このお話は庭師の親方が若い弟子の仕事ぶりを監督し、弟子が木から降りる最後になって一つだけ注意するという流れでございます。
この時、著者の兼好法師は親方に尋ねました。
「なぜ危険の多い樹上での作業中は指導をせず、あとは着地だけというところで注意を促した」のかと。
親方の答えはこうでございました。
「自ら危険を感じているところでは誰しも気を抜かないものだ。だが、目に見える危険が終わった時、気は抜け、思いもよらない怪我をする」と。
(主旨だけを抜き出した意訳でございます。ご了承くださいませ)
金ベラの「抜き」に命の危険は勿論ございません。
ですが、最後の一瞬、数ミリ気を抜いた線を残しただけで、鬼全体がダメになってしまう。
そのようなことがあるのでございますね。
そのため私の場合に限っては、よくこの一節が頭をよぎるのでございます。
それではまた明日お会いいたしましょう。
2015年7月22日更新