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職人自由律俳句
ヘラがながれた跡 飴色のつや光る
暗い穴の中手探りですすむ 原人の気分
汗が玉になる 今日は今年七度目の晦日
こんにちは。
本日は1句目と2句目が、直接職人仕事に関係した句となっております。
1句目のヘラがながれた跡とは、金ベラでスッとひと撫でした跡のことでございます。
普段お客さまや読者さまがご覧になられる鬼瓦は、焼成された瓦色、もしくは、乾燥中の白色かと存じます。
それに対し、私共が主に目にしているのは、生の土の色なのですね。
土なので、色は当然茶色でございます。
正直、この段階での生土の塊は、あまり見ていて美しい物ではございません。
が。
その表面をなでる。
磨く。
金ベラを通す。
と、まるで光を反射した貴金属のような、
そのような輝きを土が持つのでございます。
でもこの美しさを見られるのは鬼師だなあ、などと思い、
本日はせめて俳句で読者さまにこの美を伝えられればと、ひとつ詠まさせて頂きました。
ちなみに2句目は、
せまく長い筒状の奥で接している土どうしをくっつけるため、手と指先を必死に伸ばしているという悪戦苦闘の句でございます(苦笑)。
(せまいので中を見ながら作業が出来ないため、手探りだったわでございます)。
それではまた明日お会いいたしましょう。
2015年7月31日更新