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福井県越前市池の上町8-5-1
※北川鬼瓦に関する全ての画像の無断使用、
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タイトルとなっておりますこの文言、実際に時々いただくご質問でございます。
そのため、web上でもお答えしたいと思い、本項を設けさせてもらいました。
では、問いに対する答えでございますが、 鬼師に養成学校はありません。
この仕事の場合、すべての技は親方から学ぶのみです。
(当工房の場合は、実の親から子へと継承されております)
ここからはとても端的な表現になってしまいますので、ひょっとしたらお気を悪くされる方もいらっしゃるかもしれませんが、どうぞ一職人の愚考と捉えて頂ければ幸いにございます。
さて、愚考と申しましたのは、それらの施設に対する私の考えにございます。
私は、美術に関する学校・養成所というのは、身近に教えを乞う方がいない若人のためのものだと捉えております。
もちろん、それはそれで、とても素晴らしい教育の場であるとも思っております。
ただし。
でございます。
鬼瓦というものは、千数百年もの間連綿と続いてきた日本工芸技術の流れの一端にあるものでございます。
そのため、日本的な独特の見せ方をする鬼瓦の世界では、美術学校などで得た洋式の知識とは相いれない点もございます。
とはいえ、数年かけて手に入れた洋式の美的センス・テクニックです。どうしても使いたくなるのが人情でございましょう。
ところが、それを無理に日本式工芸の技術と融合させてゆくと、やがて伝統の流れに沿った本来の鬼瓦とは少しずつ離れて行ってしまう。
そのことを、誰も否定は出来ないのではないかと考え、少なくとも北川鬼瓦では誰も美術学校で学ばないという次第なのです。
勿論この私感は、洋式化した日本に暮らす私自身が、知らずの内に本来の立川流と離れてしまわないよう戒めるためのくさびでもございます。
また、 上記の私見が、決して美術学校や西洋美術の素晴らしさを軽視して出たものではないことを付け加え、結びとさせて頂きます。
(写真は、血縁による繋がりを重んじ技を紡いできた4代、5代、6代目)
2015年1月4日更新