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• 職人が語る縁起物の由来・秘密

「うんすい」、とそのままお読みいたします。

鬼瓦ではもっともポピュラーなモチーフであり、背景でもあります。

こちらの縁起の役は、「火難除け」でございます。
火事が家、建物にとって最も避けたいものだからこそ、鬼瓦で一番使われてきたわけでございますね。

さて、その雲水の雲でありますが、普段皆さまがお目にされている雲とは、実は少し異なります。

鬼師が作る雲は全て、「瑞雲」と呼ばれる雲なのでございます。
この雲は水の恵みだけでなく、瑞祥も運ぶとされるおめでたい雲として古くから人々に好まれてきました。

一方の水の方は、当工房では波の形でお造りさせて頂いて参りました。

しかし昔は、波や滝といった目で楽しむ要素を入れず、ただ一文字「水」とだけ盛り付ける事例もあったようでございます（ほかの工房でのお話ですが）。

もともと水には昔から、悪いモノを流すという意味や神聖なものという役儀もございました。
「浄化」や「清らか」という漢字からも、そのことが伺えるかと存じます。　　　　　　　　

昔から掛け軸や欄間の柄にもごく自然に登場する雲水ですので、最も人の身近にある縁起物と云えるかもしれませんね。

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※記述内容には諸説ございます。