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職人自由律俳句
丁寧な人が送ってきた文章 心にまで丁寧に届く
やわらかい土で やわらかい角を造るための試行錯誤
振り返っても姿見えない声 壁の中のネズミの声
こんにちは。
3句目の句でございますが、ホラーではございません(笑)
鉄筋コンクリ―トの工房に後から部屋を造ったもので、工房の壁と部屋の壁との間に隙間があるのです。
どうやらネズミはうまい事その隙間に潜り込んでいるようで。夜になるとよくチューチューと鳴いているようなのでございます。
さて。2句目の句についても少しお話させて頂こうかと存じます。
この句の中に出て参ります「やわらかい角」とは、麒麟の角のことでございます。
先日来からお造りいたしております麒麟の置き物の角でございます。
そして伝承によりますと、麒麟の角は皮膚に覆われているとのこと。
これは麒麟という神獣が、野辺に生えている草も踏まないほど優しい獣であることから、誰かを傷つけてしまう恐れのある角を、皮膚で覆っているのでございましょう。
(※麒麟の姿には多様な種類の伝説がございます)
そこで私は、麒麟の角は麒麟という獣の優しさの象徴だと捉えております。
ゆえに麒麟を造るたび、その角には並々ならぬ心血を注いでいる私。
(私が角や蹄のある動物が好きだということも、多分に影響しておりますが 苦笑)
しかし。
やわらかいという表現は、難しいものでございます。
やわらかい原料を使ってなお、難しい。
今回の麒麟製作でも、改めてそう感じました。
それではまた次回お会いいたしましょう。
2015年10月9日更新