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福井県越前市池の上町8-5-1
※北川鬼瓦に関する全ての画像の無断使用、
転載を禁じます
こんにちは。
週末にかけまた寒くなるという報道が一部ございます。
どちらの地域にお住まいの方もくれぐれもお気を付け下さいませ。
さて、本日は工房の資料整理をしていた際に発見した、鬼の写真をご紹介させて頂こうかと思っております。
まずは下の画像をご覧いただけますでしょうか。
面が三つあるという、奇妙な鬼瓦でございます。
(タイトルの「三面鬼」は便宜上私が勝手にそう名付けただけでございますので、あしからず)
このような多面の鬼瓦は、研究者の方の著書などでは、以前から時折見かけることがございました。
おそらく全国的に同種の鬼がよく好まれた時期があったのだと存じます。
一見した時の迫力にはやや欠けなくもないこともございませんが、同時に三方に睨みを効かせている様が愛されたのでしょうか。
しかし、当工房の美的観念とは少々異なってございます。
そのため私共とは関係がない鬼かなと感じておりました。
ところが、資料整理中、この写真が出て参ったのです。
ご覧のとおり古い鬼面をおろして撮影しておりまして、どうやら復元依頼でお造りさせてもらったようでございます。
この手のものは、おそらく皆さまもご想像のとおり、ただ顔を並べて置けば良いという訳には参りません。
それぞれの顔が皮、骨、肉で繋がり互いに作用し合いながらも、それぞれの顔面には独立した迫力が必要になる――つまり、隣と繋がってはいるけれど、そちらに引っ張られてはいけないということでございますね。
完璧に造るためには、高い技量と経験が必要になることは想像に難くないかと思われます。
まだ私(六代目・順一)が修業を始める数十年前の話でございますが、珍しいお写真でしたのでご紹介させていただきました。
それではまた明日お会いいたしましょう。
2015年2月6日更新