営業時間8:00~18:00 日曜定休
〒915-0873
福井県越前市池の上町8-5-1
※北川鬼瓦に関する全ての画像の無断使用、
転載を禁じます
こんにちは。
突然ですが、生物というものは不思議でございますね。
特に今は菊の鬼瓦を造っているため、植物についてかように感じることが度々ございます。
絵画や他の工芸・美術品と同じく、鬼瓦でも植物を造作する際は、その植物ごとに幹や葉、花を本物に寄せてお造りいたします。
そして本物に寄せるためには、本物を観察いたします。
葉ならば、じっと、その葉脈の一本一本まで目で追い、頭にイメージを染み込ませます。
ところで。
おそらく皆さまも小さい時分に、紙の裏などに「葉っぱ」を落書きされたことがあるかと存じます。
私もいたしました。
その時のことを少しだけ思い出していただけますでしょうか。
幼い頃に描いた絵。
思い出の絵。
その絵。
葉っぱは、リンゴの木の葉っぱも、ツタ植物の葉っぱも同じ形をしていませんでしょうか。
葉っぱっていうのは緑で広くてひらひらしてるもの。
極端に申せば、みな同じ形、似た形だと思っていらっしゃいませんでしたでしょうか。
されど。
植物を観察している内に見えてくるのは、
「植物」とくくられて、皆「葉」と呼ばれる部位なのに、一つとして同じ形態の葉はないということ。
どれも緑で広くてひらひらしている――のに、すべて異なる。
その奥深さのなんと面白い事でしょう。
クリエイト系のご職業の方ならば、もしかしたらご同意いたしてくださるかもしれませんが。
不意にこのような発見に出会えるのだから、鬼師はやめられません。
それではまた明日お会いいたしましょう。
2015年5月27日更新